「シニアステージ(50代後半~)で輝き続けるゴールド人財への道」
~生涯現役でイキイキ働くための5つの質問~

発表者:がんファイター 高久 和男&キャリアコンサルタント&ファイナンシャルプランナー 昌宅 由美子

本日は、高久さん、昌宅さんのゴールド人財ペアのお二人に「シニアステージ(50代後半~)で輝き続けるゴールド人財への道~生涯現役でイキイキ働くための5つの質問~」と題した事例発表をしていただきました。
オープニングの自己紹介でお二人は「ゴールド人財です!」と自ら宣言し、第2部がスタートしました。
「55歳以上の方がイキイキ働いてますか?」の問いかけに参加者の皆さんから手が上がったのは半数ほど。これから増えてくる55歳以上の方がイキイキ働いてないと「会社も困る」、「周囲の人も困る」、「一番困るのは本人です!」とのことで、まずは、お二人の自己紹介から始まりました。
昌宅さんの自己紹介では、41歳の出産と同時に一家の大黒柱になられたたお話からスタート。当時、51歳の夫が娘の出産と同時に会社を辞め、娘を自分が育てると言い出し専業主夫になったとのこと。「まさか!」と思ったが、夫の意思は変えられず、そこからは逆転人生が始まったそうです。その後の異動先も残業、苦情に追われる毎日。かなりのストレスがかかった時期だけど、大黒柱だから会社は辞めるわけにいかない、そんな葛藤があったようです。その後、唯一自分に合っていると感じた異動先はダイバーシティ推進室。女性の応援、障がいがある方の支援ができる部署でした。でも、あっという間に役職定年がきます。異動先は、"今までの経験が活かされない・・・”と感じてしまう部署だった為、”自分は「お役御免」なんだ”、って感じてしまったとのこと。
その後、定年後再雇用の雇用契約書を見て、「自分の価値が下がってしまった!」と感じてしまいます。ここは、定年後再雇用を経験していないとわからない葛藤だということです。役職定年、定年後再雇用で落ちたままかというとそうではなく、昌宅さんは、役職定年の時は、自分には合わないんじゃないかと思った仕事もしっかり覚えて、仕事で行く出張先のかつて応援してきた女性との面談ができるように、自ら進言し実現されたそうです。定年後再雇用の時は、雇用契約書にショックを受けましたが、給与の額と仕事のやりがいはイコールではなく、誰かの役にたつ、貢献することを意識していけば、仕事へのやりがい、充実感につながってくるということです。どんな状況になっても、人の役にたつ、貢献することを常に意識している昌宅さんは、正にゴールド人財を体現しているように感じました。

高久さんはIT会社に入社し、昨年4月に定年退職となり、現在は継続雇用1年目として引き続き同じ会社に勤めています。高久さんは社会人人生の中で3回の転機がありました。
まず1回目の転機は35歳の時に新しい土地に引越した事です。地元の子ども会イベントのお手伝いをしているうちに、いつの間にか役員になっていて、お子さんが大きくなって「やっと役員は卒業かな」と思っていたら、今度は町会の役員に推されて担当することになります。他にもソフトボールチームにも誘われて加入しました。会社や家以外の居場所が出来たことは、とても良かったとおっしゃっています。
2回目の転機は42歳のときに悪性リンパ腫を患ったことです。まだお子さんが小学生だったため、「まだ死ぬ訳にはいかない」と入院治療を決断しました。そして、55歳の役職定年を迎えたときに再発をします。プロジェクトのリーダーとして仕事の真っ最中でしたが、急遽入院することになりました。治療自体も辛かったのですが、翌年の人事考課で「プロジェクトを最後まで完遂しなかった」という理由で給与テーブルが1ランク下がったことも、結構辛かったそうです。
そして3回目の転機は57歳の時に人事部に異動となり、中高年の活躍推進の企画から任されたことです。最初は人事への異動で勝手もわからず苦労したそうですが、この異動がダブルキャリアとしての道が開けたきっかけとなるものでした。そして、59歳で再再発。コロナ禍で家族の見舞いも禁止された中、60歳の誕生日を病院のベットで迎えました。3回も生かされていると思うと、「まだ貢献が足りていない!」と天から言われている気がするそうです。高久さんの3つの転機が「ゴールド人財」の根幹にあるのかもしれません。

「55歳~『ゴールド人財』になれたら幸せな人生」と題し、まずは、55歳からの人生は不安、戸惑い、迷いがたくさんあり、当のお二人も最初からゴールド人財ではなかった、実は困ったさんだったというお話がありました。
どんな状況だったかというと、由美子さんタイプは過去の肩書やプライドを「手放せない困ったさん」。和男さんタイプは、責任ある仕事の依頼は、「自分には無理」と逃げたりする「お気楽困ったさん」。
そんな困ったさんだったそうですが、自分達では気づけない。でも、気づかなくちゃいけない。年代による役割があるというお話しになりました。20代は成長、30代は自律、40歳は責任。昭和の時代はこの40代の責任を背負って、55歳で定年退職でした。でも、今の時代は、50代からの役割は貢献。この貢献ができていることが、ゴールド人財であり、これを意識しなくちゃいけない。会社での仕事と年代の役割をしっかり意識できていれば、「エンプロイアビリティ(雇用される能力)」が高まり、会社にはいつまでもいて欲しいと思われる存在になれるということでした。
そして、「じんざい」については、「人材、人在、人罪、人財」と4つの「じんざい」があり、ゴールド人財は、「人財」になる。会社にとって必要な存在、いつまでもいて欲しいと思われる存在になることができてこそ会社の財である「人財」になれるとのことです。
「ゴールド人財になるためのチェックリスト」では、10の質問のうち、5つができていればゴールド人財進化中。7つ以上ならゴールド人財確定!とのこと。皆さん、5つ以上の質問に該当し、ほっとしている様子でした。

ディスカッション後は「ゴールド人財への道 5つの質問」ということで、ゴールド人財への道の質問に対して、チャットに回答を入力していく形式で進行しました。

質問1では、「会社と家庭以外に居場所はありますか?」
色々な居場所があっていいが、ゴールド人財としての居場所は「必要とされる場所、役割がある場所」そんな場所があれば、自分自身の再発見になるし、充実感、モチベーションアップにもつながる。これこそがゴールド人財としてのポイントとのことです。

質問2では「自分を磨いていますか?(お金と時間をかけていますか?)」
自分磨きの場所は、色々あるが、ゴールド人財としての自分磨きは「自分の成長、進化のための自分磨き」例えば、お二人の自分磨きは、キャリアコンサルタント、ファイナンシャルプランナー。50歳以降に頑張って取った資格。資格取得したことはすごくうれしいし、証明にもなる。でも、何より50歳以降に頑張った自分を発見できた、まだまだ、頑張れると思えたこと。また、勉強する仲間に出会えて、自分が成長していると思えたこと。それがゴールド人財のポイントとのこと。

質問3では。「この1年で新しい体験、経験をしましたか?」
コロナ禍で色々な行動が制限された中できないことばかりが気になり、新しい経験、体験ができていないという人もいるかもしれない。で私たち昭和世代は、どちらかというと、安定志向でリアル世代。年を経ていくと、チャレンジする気持ちが下がってくる。でも、ゴールド人財はそれではダメ!
実はチャレンジする機会が目の前に広がっているのに気づいてほしい、そのひとつが、オンラインワールド。

質問4では「断捨離をしよう!手放していいもの、捨てるもの」
コロナ禍や年末に断捨離をした方が多かったのでは?いらない洋服や古い本、写真。捨てた人もたくさんいます。断捨離するといいことは、すっきりしてスペースができる。でも、ゴールド人財の断捨離は「人生の断捨離」。人生の断捨離がしっかりできれば、心に余裕ができて、「周りの人を大切にしたくなる」これが貢献。この貢献は、人生の断捨離をしないとできない。ゴールド人財としては人生の断捨離を一緒にやっていきましょうとのお話でした。


質問5では「これからの人生でやりたいこと、夢、目標は?」
プライベートでの夢、目標はみんな持っていて、夢、目標があるとそれに向かって進んでいけるし、夢、目標を持つことが大事なのは、みんな、わかっている。でも、ゴールド人財としては働く上での夢、目標。これをもっていることが大事。最後は、キャリアビジョンの話です。
キャリアビジョンといっても難しく考えなくていいので、まずは3年後の自分がどうなっていたら素敵か、どう働いていたいかを思い描くことから始める。それがゴールド人財としては大事なポイント。

ゴールド人財としてのキーワードは「貢献、育成、進化」
会社が大好きという昌宅さんからは、会社に貢献、会社に居る人に貢献したい。そのためには自分が進化していないと出来ない。だから、ちょっと苦手なオンラインワールドにも挑戦し続けていく、進化し続けていくとのこと。
高久さんからは3回のがんを経験し、「自分にはまだ、貢献が足りない!」と言われているよう。だから自分の中では貢献するのが一番大事で、そのためには進化し続けていく。

最後に「ゴールドもほっておいたら光が消えてしまう。だから、私たちはゴールドを磨き続けていきます」との力強いメッセージをいただきました。


4月15日(木)には、お二方が登壇する公開セミナーが予定されています。
年齢を問わず、今後の自分の人生を見つめたい方にお勧めです!
▼詳細はこちらから
昌宅由美子・高久和男『シニアステージで輝き続ける「ゴールド人財への道」』

昌宅さん、高久さん、貴重なお話をありがとうございました。
(文責 山岡正子)

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