事例発表
サッポロ不動産開発株式会社
札幌事業本部 人事総務部 塚本桂也様
今回事例発表してくださったのは、サッポロ不動産開発株式会社の塚本様です。
塚本様は、サッポロビール株式会社に新卒で入社され、システム部門、総務部、経営戦略室、労働組合などいろいろな部署をご経験され、現在はサッポロ不動産開発の札幌事業本部の人事総務部にいらっしゃるそうです。スライドでお見せいただいた娘さんとの食事のお写真では、よいパパぶりがうかがえました。また、本日のファシリテーターの臼井さんとは同期だそうです。
サッポロ不動産開発株式会社は、親会社サッポロビール㈱※現サッポロホールディングス(株)のビール工場の跡地等、自社が保有している都心の土地を中心に開発や開発した物件の運営を行っている企業です。主な物件としては恵比寿ガーデンプレイス、サッポロファクトリー、ストラータ銀座、銀座プレイスなどがあります。
これまでは、持っている土地の優位性によって成長、評価されてきたものの、近年では競争優位性や投資家の見方が変化し、「人員の固定化からくるセクショナリズム、失敗を恐れ何も挑戦しない」組織風土に対して今のままでは成長は見込めないとの指摘もあり、2020年、新しい経営ビジョン『ひとから、まちを、育む』・行動指針『5Ways』を皮切りに、新たな組織風土醸成を進める組織改革プロジェクトがスタートしたそうです。
プロジェクトは社長直下のプロジェクトとして5waysを指針とし、一人ひとりがその行動指針を実行することを目的に進めてこられたそうです。
第1期は課題の策定、認知、獲得、第2,第3では意識浸透、そして第4期は『行動変革』のフェーズとし、第3期メンバーにより抽出された組織課題を基に、アクションを起こす事に重点を置き、部署、役職を超えた3つの施策を実行されました。
①
コミュニケーション強化施策
SREマガジンを活用した情報発信・共有、ランチ会の実施
②
まち、自社メンバーへの興味
センタープラザオープン施策
③
社員のマインド醸成(挑戦意欲の醸成)その施策の1つがストレングスファインダーの導入と『たすき掛け1on1』です。
今回のストレングスファインダーの導入は、「挑戦」に必要な要素を整理し、人事総務部とも連携を取った結果、個人の「強み・資質」に着目し、加えて各要素を効果的に結び付け行動に変革する組織的な取組みが必要という結論に至ったからそうです。しかし、ストレングスファインダーで強みがわかっても、行動変革を個人任せにするのは難しいことから、ストレングスファインダーの効果を最大化させるための施策を、4つのフェーズにわけて、段階的に活用されたそうです。
1,実施フェーズ:ストレングスファインダー実施
2,習熟フェーズ:全社員向け研修、マネージャー向け研修
3,活用フェーズ:ストレングスファインダー×たすき掛け1on1
『たすき掛け1on1』、直属の上司とは異なるマネージャーと1on1
人財育成会議×ストレングスファインダー×たすき掛け1on1
『人財育成会議』とは、自部門のマネージャーだけでなく、他部門のマネージャーも含め、全メンバーの育成計画を検討。前年の育成計画を踏まえた成⾧・変化、今年成⾧させたいスキル、改善が必要な部分を議論する会議です。これまでは、所属長の主観で判断されていた育成計画が、多面的に議論されるようになるだけでなく、他部署のメンバーと1on1をしたことによって、議論の内容も深まったそうです。
4,チェック・継続:アンケート、ヒアリングによる効果検証、異動者対応
実際に『たすき掛け1on1』を受けた南部さんは、「普段コミュニケーションがないマネージャーとの1on1は、お互いの強みを言いあい、話が弾み楽しかった」また、辻本さんは「1on1」をしたマネージャーとご自身の強みが同じだったことから、「あなたがマネージャーだったらどう考える?」など、意見を聞かれたことで、視座が高まったそうです。
このように、単にストレングスファインダーを導入しただけでなく、それを活かした効果的な施策で、行動変容につなげるという全社的なお取り組みに、参加者の皆さんからも「ここまでしっかりお取り組みされて素晴らしい!」「どうやってここまで取り組みができたのか?組織への働きかけ方を教えてほしい」などのご意見が出ていました。
今後については、効果のモニタリングと一過性の施策に終わらせないためのブラッシュアップが必要だとおっしゃっていました。そのために、継続したモニタリングを実施されるそうです。モニタリング内容は、・従業員意識調査
「強みの発揮」「未来価値創造に向けた挑戦」2項目だそうです。
➡ 今後について
・異動者・キャリア入社者へのストレングスファインダー継続実施
・たすき掛け1on1の定期的実施と人財育成会議での情報活用
・モニタリング結果を踏まえた活動の見直し(年1回)
に取り組み、最終的には普段の中で自然に「強み」が語られるようにしていくことが目的ということです。
以上、塚本さんの熱いプレゼン、南部さん、辻本さんの実際に体験されたお話しをお聞きできて、とても充実した内容で、たくさんの学びをいただきました。
塚本さん、南部さん、辻本さん、ありがとうございました!
(文責 田中慶子)